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2006年04月04日

頑固について -- 06年4月4日

 荒川静香がトリノで、得点にはカウントされないイナバウアーという演技を披露した結果、金メダルを獲得した。以降、日が経つにつれその決断力やそれに至るまでの彼女の訓練の密度ある時間がなかなか価値ある重いものに思えてきた。結果だけが評価される中の、余裕ある人間の珠玉の価値だ。彼女、意外に頑固なのでは。その頑固さに天晴れマークを。

 週刊新潮が2月に創刊50周年ということで、創刊号を復刻した。現在の同誌の原型が既にそこにあることがこのメディアの頑固な自信を示していて面白い。文藝春秋もそうだが、コラムや連載ものが創刊以来続いているということが軸足で、それがよく煮込まれたおでんの味あるいは旧知に出会ったようにこちらの精神をほっとさせる。おびただしい情報量の時代ゆえ、急流の中に立ちつくす杭のような頑固なメディアに天晴れマークだ。

 その創刊号の中の「週刊新潮掲示板」。三島由紀夫が呼びかけている。「文壇ボディビル協会を設立したし。会員を募る。キャシャな小説家に限る。会長を川端康成氏にお願いしたい。目下会員は小生一人。事務所は三島由紀夫方庭内ボディビル道場」。―「最近、マスコミを賑わす論争がない。問題はなんだろうと、何ヶ月にも亙る多くの人の参加する論争が無いのは寂しい」と、一夜の歓の途中で街プランナーが呟いた。なにかと論争を巻き起こした三島が亡くなった時、石原慎太郎知事が言った「ああいう人がいないと世の中つまらなくなる」の言葉を思いだす。三島も頑固だった。勢いのいい頑固な江藤淳もおおいに論争で賑わした。ゆえに天晴れマークを遅まきながら。

日本の人口推移。
明治 5年    3,480万人
昭和 5年    6,000万人
   25年    8,420万人
   45年  1億 470万人
平成12年  1億2,700万人
 「広く静かなところから文化は生まれる」。吉田健一が書いている。日本の文化を世界に知らせることが大切というが、国家の遺産としての文化もだいぶくたびれてきたのではあるまいか。「国家の品格」も「文化」も騒々しい過密都市の中の渾沌から生まれることは千に一つもあるまい。文化国家として国土・面積に合った適正人数ってどれくらいなのかしらん。取り急ぎ頑固そうな藤原正彦さんに天晴れマークを進呈しておこう。             

   (花散里)

2006年04月21日

憧れのあの人が -- 06年4月21日

 ついに、藤原正彦氏がAERAの表紙に登場した。

 前コラムで「頑固」がテーマになっているが、私も15年以上前から頑固に藤原正彦氏のファンを続けている。小学校の英語教育があれやこれやと取り沙汰されているが、実は語学オタク(?)の氏は何年も前から「小学生で大事なのは国語、学校教育では外国語の前に日本語」という主張を唱えている。勿論、この考えに賛成だ。

 かつては新聞のコラムなどに氏が登場すると、人知れずほくそ笑んでいたのだが、最近は、外に出れば氏の名前を目に耳にするようになった。メディアの方たちとの話題にも度々上るようになったのも当然で、『国家の品格』は大ベストセラーである。

 20代の頃、海外に目が向き始めた私に知人が本を贈ってくれた。『遙かなるケンブリッジ』、これが藤原氏の著作との最初の出合いである。続けて処女作『若き数学者』を読むと、もう、いてもたってもいられず、藤原さんにお会いしたくなったのを覚えている(AERAの表情より、私は氏の笑顔の写真が好きなのだが)。

 PRに関わって15年。まだまだ若輩者とはいえ、仕事で接点を持たせていただいた方々が、ここに来て様々に活躍の幅を広げていらっしゃる。フォトサロンの展示告知でご縁をいただいた針穴写真家の田所美惠子さんも、そのお一人。このほど上梓された写真集「針穴のパリ」は書店に堂々と並んでいる。5月3日から29日まで銀座のポーラ・ギャラリーで「静物」をテーマにした個展も開催されるので、静謐な世界に触れるのが楽しみだ。

(Kate.J)

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